揺らぐ信条 描く事の本質



 

G7 広島サミットの


各国首脳や他の出席者の記憶が 

せめて薄れない事を願いつつ




描き上げた


― Hanyu Yuzuru 5 ― if…




競技の採点後




「もし」を付けた想いが

どれほど交わされことか







全ては過ぎ去ったが




その姿は今 更なる輝きを放ち






PDFから漏れ出る

「もし」は


今や何も生み出さない









暮らし方が変わっても

描く事に変わりはないと思っていた この春




流れたその曲に


信条自体が揺らぐ









災いの被り方は様々でも

悔しさや 悲しさに 確たる隔たりはないだろう





「希望」を趣旨としたアイスショー ” Notte Stellata "




なのに その選曲は


彼を「希望」としていた私を

絶望へと追い込んでいく








もうあるまいと


半ば願いながら 密かに恐れていた

BTS への関わり






いわゆる “ 原爆 T シャツ ” とブルゾンの案件が 『うやむや』 であるのは


貫いてきた考えや

羽生さんを応援してきた想いと相容れない






あんなにも不条理なあれこれに 真正面から挑み続け



『うやむや』 に流し 流されていく

フィギュア界で


そして 混沌としたこの世界の中で


 

彼は望ましい在り方を示してきたのだから






一方 原爆 T シャツとブルゾンの案件に メンバー自らの発信がないのは

所属先の判断かもしれないけれど


真の支持はそれを経て得られるものだろう





そして 超える事のないような惨禍に対し

二度に渡って傷口を広げる行動をした彼等を

謝罪のない状況で 擁護的に解釈するのは



悪化の一途をたどる核の脅威や 国家間の軋轢を

意図がなかろうと助長する事になり



ましてや擁護する第三者が日本人であれば

同じ日本で今なお苦しむ方々には

ことさら耐え難いものになってしまう







そんな考えは

あの選曲で 跳ね返ってきた






原爆 T シャツとブルゾンの案件を

今も彼が知らないとは考えにくい


けれど実際どうなのかも

あるいは既知であっても 真意はわからない



ならば こちらも擁護的に解釈するのは筋が通らず


考えをねじ曲げるか 考えないふりをしたところで

彼を責める声には弁護できない






抱えた重さに向き合い


今後を見定めなければと

 私は思った







 精神的なものか 胃から背中まで痛み






一週間が過ぎた自分に

ぎょっとする










体重は35㎏を切っていただろう








 

思い悩み

何も見出せないまま






今度は絵本の構想が発表される









それ自体は

とても胸躍るものだ







だが 彼が選んだ作画の方向は

生み出してきた芸術性と馴染まないように感じ


想いは絡みあう






驕りに聞こえそうだが


絵本など 子供向けのジャンルで感じる

やわらかで温かな  例えるならプーさんとか

もしくは緻密な画風をイメージしていたからという

単純な受け止め方でしかなく


支持するにそぐわない発言と自覚もしている






以前から私は アニメやコミック風の絵本が

根幹の部分で どちらの利にもならない気がしていたし


次々に送り出される ハイブランドとキャラクターのコラボや

それらを海外のセレブ達が身に付けたりするのは

悪目立ちとさえ思えたものの



基本的には個々の感覚だろうと

表立って言う事はなかった






そこに記憶が加わる





羽生さんは 『あさイチ』 に出演した際

自分を描かれる事について尋ねられると

関心がないと答えていた




それとこれとは違うのか


月日の中で変ったのか






彼は野菜のパプリカも

好みではないように話していた


「 パプリカに関わりのあるファンの人がいたら きっと悲しいよ」



 

独り言ちたのは 昨日の事のようだ








そんななか

にわかに世界が沸き始める







人は怠惰な誘惑にかられがちで

それは効率という言葉で置き換えられ



電卓が普及して

計算を代替するようになり


パソコンやスマホによって

覚える事も手放し



汎用性を高めたAIが

考える事さえお任せな時代を告げた





中でも昨年から話題となっていたのは画像生成






以前にも綴ったけれど 8年ほど前には

水彩画風などのエフェクトはかけられるようになっており


それ以上の事が遠くない先に一般化される前提で

私は描く事に足を踏み入れた




デジタルなら もし指を失うような事があっても

どうにか描けるかもしれないし


絵なら僅かづつでも上手くなって行けば

彼のポジティブな影響力が 一瞥でもわかってもらえると思い



少しでも描けたように感じられたら もちろん私も嬉しくて


仕事以外を全て絶ち

可能な限り描き続けてきた





そして今 エフェクトはありきたりのようになり

クリエイティブ全般が脅かされる段階に来たわけで

方向性を再考すべく 頭と気持ちをどうにか切り替え

小手調べのプロンプトを打ってみる

 



create an image,Two rabbits,cool,stylish,

Fashionable and tasty confectionery products,

that have never been seen before

 



Stable Diffusion の生成は

Bing Image Creator では2回目のこんな感じから

3回目にはこういった画像が生成された

 

 


それではと本命を これでもかのダメ押しで打ち込む

 

male figure skater Yuzuru Hanyu, create an image, best quality,masterpiece,

extremely beautiful, cool,stylish,amazing,High quality texture,finely detail,highest quality, 

ultra high resolution, making a spectacular entrance,at the rink Ice Show,

 

しかしこちらは惨憺たる結果に

 


Bing Image Creatorでは

どこか 初代 Origin を思わせる衣装のこちらが一番マシで

 

 

Stable Diffusion  では唯一躍動感あるこちらが せめてものところ




多少の違いがあっても万国共通のウサギなら 結構なクオリティで描かれるものの


こちらはプロンプトを試行錯誤したところで変わり映えせず

ありえない手足の形状さえ生成される



もっとも ごく僅かな時間に 名前を認識し

それが漢字だからか Hanyuという言葉からか 黒髪にし


web上にある驚異的な数の羽生さんの画像から

それらしき衣装デザインも選び取れたようなので


肖像権の関係で顔などは寄せられないにせよ

多くの人が試みれば それほど先でもなく精度が上がり

それは描かない人にとっては とても楽しいものになるだろう


そして私もあの時踏み出さなければきっと

今ごろテキストを打ちまくっているはずだ






ここから少しの間 羽生さんから離れる 






 見る側が制作方法を問わなくても(と言うより見分けが付かなくなってくる)

旧来からの制作側にしてみれば


導き出す事と生み出す事は根本的に違い


それが趣味であれ かかる時間やコストも恐しく見合わないのに 

コマンド次第とはいえ 偶然の生成物がもてはやされるようになれば




生み出す事本来の楽しさや喜びを失い

進化・退化と両極で捉える分断も生じかねないが



AIに関するコメンテーターが

「AIによってクリエイターが増える」と話すのを耳にすると

認識が違うそういった事からも

境目は曖昧になっていくんだろう




そして 境目など端から意識にない世代を待たずに

create と generate が混然一体となるのかもしれない



 



AIに関し  懸念する声と活用すべきという声に分かれているように感じるのは

この件に限らずメディアの伝え方によるところが大きいにしても

 

こういったものが生み出された以上 核と同様に

いかに危うくても 阻みようがないので

(私は核兵器も原発も絶対廃絶したいけれど)

暴走や悪用を食い止めつつ 有益な方向に育んでいくしかない



様々な進化は本来素晴らしいものだが

嘆いたりしている間にも 企みは貪欲に先を行き

闇サイトでは悪用への議論が 2月時点で激増している


軍事利用の検討も中国に限らず始めているだろう





ブレーキをかける他国とは逆に 浮かれ感いっぱいの日本政府は

マイナカード同様に前のめり過ぎるのが

つまずく要因の一つとは思わないようだ


前向きと前のめりは当然だが違う




能力不足なのか 意図的なのか

デジタル以前の円滑なオペレーションも組めないのに


的確なタスク指示をどうやって出すのか





他人事に感じる “生成“ という言葉は

政府が使う “発出” のように


責のありかがぼやけている





笑えない日々を迎えたくはない








更にずれたので ひとまず描く事に戻り

AIに問いかけてみる


 

Q.これまでのような描く喜びは得られるのか


A.人それぞれです。AIが生成した画像を見て、自分が描いたような感覚を得られる人もいれば、AIが生成した画像を見て描く楽しみが失われる人もいます。生成する画像の方向性を指定することで、自分が描く楽しみも得られるかもしれません。


有益でポジティブな回答ではなかったので 質問を重ねる 


 

A. 生成した画像を見て、自分が描いたような感覚を得ることができるようになるまで、何度もAIを使ってみることが大切です。また、AIが生成する画像の方向性を指定することで、自分のアイデアを形にすることができます。


“描いたような感覚を得る事” と “生み出す事”は違うから聞いたにも関わらず

ほぼ同じ回答が繰り返されたので 別の方向から質問する



Q.そもそも「生み出す」をどう定義付けし 哲学的にはどう捉えるのか


A.「生み出す」とは、新しいものを創造することを指します。哲学的には、創造とは、既存のものから新しいものを生み出すことであり、人間が行うことができる最も高次の活動の一つです。AIが生成する画像は、AIが学習したデータから新しい画像を生成することであり、人間が行う創造とは異なります。しかし、AIが生成する画像には、人間が作成した画像にはない独自の特徴があります。AIが生成する画像を見ることで、新しいアイデアを得ることができるかもしれません。


プロンプトによるところが大きいのだろうが 

望ましい答えは得られなかった




翻訳家の鴻巣友季子氏は機械翻訳文の特徴をこのように言い表している


「AIは何十億という訳語の既存サンプルから適合確率の高いものを引っ張ってくる。しかし、すでに使われた訳語ばかりを使って翻訳するというのは、死んだ昆虫標本を並べているようなものなのだ。AIには、だれも使ったことのない訳語や表現を採択することは現状できない。」

https://president.jp/articles/-/70471?page=5


一方で 米国『WIRED』誌は、ChatGPTの“知性”の仕組みについてこのように指摘


「ある程度の到達レベルに来ると本物の人間の思考や創造性のように見え始める」

https://president.jp/articles/-/70471?page=4


ちなみにこの記事のライターは河崎 環さん

リニューアル後のモニフラ内で

いつも小気味良い発言をしている

                         

                                                                                                    

AIの回答は本質的な事から生成されるわけではないため

詳しい人には間違いや浅さがすぐわかるといい

確かにレシピなどはそれくらい答えられる人はごまんといるだろうと思っていたが


それなら多くの生成画像が そのレベルを超えたように見える自分は

こんな事をつらつらと綴る立場でさえないのかもしれない




 

―  人間が描く絵画は、人間の感性や感情を反映しており、その美しさや独自性によって評価されます。 また、人間が描く絵画は、その過程自体も芸術的価値を持っています。  ―


AIが並べた その文章を

「生み出そうと生成しようと公の場に出て 更に評価されなければ価値を持たない」

読むなら


凄まじく仕事の早いAIは

承認欲求への渇望を より強めるに違いない 






行き詰まった時の考えのずらし方は様々らしく

そうこうするうち 何とか落ち着きは取り戻せたが

霧が晴れる思いには到れなかった







支持する気持ちも 描きたい想いも

変わらないなら


わだかまりも携えて行くしかない




そしてもし 原爆Tシャツとブルゾンの件で彼が責められたり

その事で傷付いた人がいたら

釈明や正当化はできないし 代わりはならないけれど


自分の立場で誠心誠意謝る





日々努力を重ね 今なお躍進する姿を追いながら


立ち止まっても また描き始める





それが今の結論