血栓


いつでもすぐ持ち出せるよう

入院用の一式を用意している



その一式を玄関へと運び

未完成のまま前作をアップしたのが9月初旬





結果から言えば 入院には至らず

今のところ勤務先にも大きな迷惑はかけずに済んでいるが


身体の不具合は増える一方で

少しばかりナーバスになってしまう





下肢全体が尋常ではない冷えを感じて痛み 腫れもあり

これがクーラー病なのかと思ったのが症状の始まりだった



しかし二日ほどで 急激に悪化



脚を曲げられなくなったため受診し

幾つかの検査で 深部静脈血栓症と判明する





いわゆるエコノミークラス症候群であり

単独の膝下発症であれば さほど支障がなかったりもするようだが

太腿の血栓が肺に飛ぶと 死に至ってしまう怖さがある


私の場合 両太腿と両膝下全てに複数の血栓が生じていたため一気に諸症状が出たものの

手術は回避できたらしい




その後の数日間 まだ残暑厳しい時期だというのに

勤務先ではボトムの下にタイツとハイソックスを履き

(今の時代望ましい事ではないだろうが それでも出勤していた)


家ではレギンスとスウェットとモコモコのレッグウォーマーを重ね

座っていると両膝下がウインナーのように腫れてきて痛み 息苦しくもあったので

描く事もままならず 寝てばかりいた




数日後から薬で血栓が溶け始めても

座り続けていると膝下がすぐ腫れていたが

ひと月たった今は 歩行もやっと元に戻った

(このブログを綴るのに長い時間座っていたら

また脚が腫れて だる重くなってきてしまい 少し不安だが)




喫煙や飲酒の習慣もなく 良いとされる玉葱も納豆も毎日欠かさず

魚を摂り 野菜を中心とするストイックな食生活を続けてきたけれど


家系的に血栓が生じやすい体質と性質で

私にとってその努力は意味を成さないため

服薬は一生続けなければならない







血栓との実質的な付き合いは10年ほど前

ミスチルの桜井さんと同様の小脳梗塞で運ばれた時に始まった





一般的に脳梗塞は大脳に発症し

その多くは生活習慣が誘因とされる一方で


小脳梗塞は脳梗塞全体の4%ほどしか発症せず

若年層に多く見られる





桜井さんは健康な時と変わりなく生活を送れている中で 手足のしびれがあったため検査し

小脳梗塞と診断されて しばらく静養に入ったと伝えられているが


私は立てなくなり 小脳の膨張による間断ない頭痛と吐き気とめまいで

病院の天井を見る日々が続き

この膨張は隣にある脳幹を圧迫しやすく、生命の危険を伴うけれど

幸いにも 表立った後遺症は残らず社会復帰できた




しかし脳梗塞の再発率は5年で35%、10年で50%となっていて

自分も5年後 年明けすぐの1月2日 同様の症状に見舞われ

1週間ほど飲食できずに寝込み

その後も一度ごく軽い自覚症状が出ていた






それ以前から

膠原病の一つで難病である強皮症との付き合いも続いている




幼少時から血流が悪く 母親が様々な事を試みてくれても改善せず

今も夏であれ 少し冷える日には指なしニットの手袋をしてパソコンに向かう事がある


発症後の主な症状としては 寒い時期 指の血流が一時止まってしまい

滅多にないらしいがそのまま戻らなければ 切断に至るという



この病では肺に問題が生じる方に進めば生死に関わるものの それは免れそうなのだが

今回色々検査した中で 肺にガンの疑いがあるとも言われ 定期的に検査する事になった


ただそういった話は 結果問題なかったとよく見聞きするので

あまり深く考えないようにしている



また膠原病は自己免疫疾患の為 他の疾患も複数で併発しやすく

あまりストレスがかからないようにとも言われるけれど

結局誰であれ それは変わらないはずだしとも思う







強皮症を発症したあと 私は

「何をどれだけしたいのか よく見定める」と

部屋に小さな貼り紙をした



小脳梗塞のあとには

「次はないよ」の貼り紙を加えた



“次に血栓ができたら後はないよ” という自戒のつもりだったが

次は幾度かあったものの 幸いにも神様にはまだ見放されていないらしい




もとより医師からは 感染対策として人混みやプールなどは避けるように言われてきた


ワクチンも体質的なリスクから打てない


他にも健康問題は色々と続いてきて

今回の件では造影剤を飲んでの再検査も

アナフィラキシーの恐れがあると見送られた





けれど私は今 何をどれだけしたいのか

よく見定められている


悩んでしまうのは選択肢を多く持てるからでもあり

少なければ 見定めは簡単になって

出来れば何事も計画して進めたい自分にとっては とてもすっきりするのだ



だから私は 羽生さんを描き始めてからの数年は本当に幸せだと感じていて

心から感謝し 彼自身が健康でより幸せな日々を送れるようひたすら願っている





プロ転向後単独のアイスショー初公演は横浜だと知り 

観に行けなくても少しの間近くの空の下にいられるんだなと

それだけでもまた幸せを感じさせてもらえる


 

 

 

そんなこんなを書き連ねていたら  羽生さんが菊池寛賞を受賞したとの情報が入った



羽生さん 本当におめでとうございます ! !

 

 



社会には正しい価値観がまだ残されているのだという事も

こうして彼は伝えてくれる

 

 



また「映像の世紀 バタフライエフェクト」が 並んで選ばれた事も感慨深い

 




 


 

これまで綴ってきた 世の中に対する様々な想いは

自身の健康問題に基づく事が多い

 

 

 

 

病とは”付き合う”というスタンスの方は多く 自分もその言葉を選んでおり

ウィルスも共生するしかないとされているのに

 COVID-19に対し 当初世間では ”戦い”という表現ばかりが飛び交っていた

 


今世界はwithスタンスに移行したようだが

いずれコロナウィルスの新たな型も 他のウィルスも出現するわけだし

ある程度定まっている難病の種類だけでも相当数あり

他の病でも今の医学をもって太刀打ちできる事はほんの僅かで

それでさえ後々覆ったりもする

 

 

つまるところ解決できないあらゆる事に誰もが付き合って行かざるを得ないのだから

戦うのではなく 何事もその時々で向き合って最善の道筋を見出す事が必要だと

本当は皆わかっていると思う

 

それなのに”戦”を含めた様々な言葉は シャワーの如く巷に降り注ぎ

好戦的にされた人々の間に紛争が噴出する

 

報じたり論じたり綴ったりする側は

面倒であろうが回りくどかろうが儲けが少なくなろうが

客観的な事象としての言葉を選ばなければ 社会の流れさえ変えてしまうのだ

 

 



 

先頃 大阪府議会の 「議員の先生呼びをやめよう」という提案に対して

他の事に時間を割くべきとの意見も上がっていたが

 

心理を軽んじたり 基本を綺麗事と一蹴し

様々にしっぺ返しを食らっている現実をどう考えているのだろう

 

 

根本的な部分を見直さなければ

その上に成り立つ部分は事ある毎に揺らぐ  


問題が深さを増して広がる現況を

まずは直視して欲しい

 

漫画家で随筆家のヤマザキ マリ さんが

PRESIDENT Onlineに記していた一部を

 以下に抜粋させて頂こうと思う

 

  

「ウイルスから見た場合、人間は単純に生ける有機体であり、

"特別"であるとか、"尊い"といった意味づけはそこには一切ありません」 

 

「自分たちこそ特別だ。自分たちは相手より優れているし正当なので、

相手はこちらの価値観を共有すべきだ」という主張が戦争の誘因となるわけですが、

ウイルスに対して戦争を仕掛けて勝つことなどできないでしょう。

人間もウイルス同様に生き残りを目的とするのであれば、

「共生」の認識こそ、私たちに求められるのだと強く感じています。」

 

https://president.jp/articles/-/61397

 

 



 

今作は描いている最中もずっと全体がぼやけ

暗く見える気がしていた

 

けれど 数か月前からなぜか一気に視力が落ちてきている感じもあったので

そのせいだろうと思い そのまま進め

完成の少し手前で試しにGalleryの並べた時点でやっと

実際に相当暗くぼやけた印象となっている事に気付く

 

 

前作の元データも 同じ場所で撮られたもので 演技会場に比べたらそれは暗めだろうし

その雰囲気が捨てがたく また選んだのだけれど

やはり暗い印象は避けたいと思い 前作も途中から軌道修正していたわけで

今回も広範囲に渡り幾度も修正した

 

 

 

しかし 視力や上述した身体の件が影響したのか

そもそもの描き込み方がいつもと何かが違っていたのかわからず

直せど直せど軽いタッチになってしまい

時間をかけて描き込んだリアル感が損なわれるだけなので

手を打つ事にしたのだった

 

 

それでも今作は想いが深い

 

 

 

近いか遠いかわからないが 私がこの世からいなくなれば

どちらのサイトもいずれ閉じられていくんだろう

 

けれど描いてきたこれらの羽生さん達は

どこかでひっそりと存在し続けてくれるのかもしれない

 

 


 

 

 

今作の暗さの原因がわからない不安から アップしないまま次を描き始め

今度は問題はなさそうとなり やっと途中まで綴っていた下書きを開いたが 

 

いずれにしても 全くの自己流で描いてきた限界はとうに過ぎていて

この先どうすれば良いのか考えなければならない

 

 


羽生さんも言っている

 

「新しい知識や経験を積んで 新しい自分へと踏み出す」

「努力が報われないことだってあります」

 

私の画力ではこれまでもそんな事ばかりだったけれど 

羽生さんが希望であり続けてくれたから僅かずつでも進んで来れたし

きっとこの先も歩んで行けるだろう


ただその前に 眼科の予約は必須なのだが


 

 





誰かが同様の事を言っているかもしれないし 今更の話ではあるけれど

やはり綴っておきたい事がある

 

 

決意表明の会見で

“退く” というスタンスではないという羽生さんの意向を汲み取れないとは考えにくいが

一斉に報道していたTV局の中には 画面上のタイトルやテロップでその類の言葉を

放送中変えないところもあった

 

態勢によっては仕方がないんだろうと その時点では受け止めたけれど

以降も そしてどのメディアでも

タイトルや文章に“退“を含む言葉が結構な頻度で用いられていて驚く

 

「会見内容をまとめよ」という国語の試験であれば

少なくとも満点は得られないはずだ

 

 

 

一方 会見で花丸だったのがテレ東で

だからその後のインタビューに繋がったと思っている

 

会見中順番が来たテレ東の都築さんとおっしゃる方の第一声は

「この度はご決断まことにおめでとうございます」

 

それに対し羽生さんも それは嬉しそうな笑顔で

(マイクには乗らなかったが)「ありがとうございます」と 幾度か会釈を返した

 

 

 

それが直後のテレ東インタビューに繋がったんだろう

 

彼はインタビューを受けていた部屋を退出する際

笑顔で小さく「嬉しい」と言っていたから(そう記憶している)

勝手な話だが 私はやっぱりそうなんじゃないかと思った




不用意な言葉は それこそバタフライエフェクトになってしまう事もあるだろうが

逆にこういった細やかで的確な言葉選びには メディアの望ましい姿勢が示される



テレ東はビジネス枠も興味深い


MXもだが

それぞれに踏ん張って独自の分野を極めて欲しいと思う