思惑


広く俯瞰するほど浮上してくる

あれこれを追えば

 

新たに知り得たもの達が

また複雑に絡み合っている事に気付く

 

 


それは誰しも同様かもしれないけれど

しばし立ち止まっては考え込む 厄介な性質に

遅筆も加わる 私の制作物や文章の多くは


世の移ろいから外れている

 

 

 

それでもお付き合い頂けるなら

本当に感謝するばかりです

 

 



 

 

 

参院選直前に銃撃事件が起きた際 政治家やメディアからは

” 言論の封殺 ” や ” 民主主義を脅かすもの ” といった言葉が揃って発せられ

“ テロ “という言葉も飛び交っていた

 

 


そのような言葉を選んだのは 賢いはずの

もしくはそうあって欲しい人達だが


当初より動機は宗教に起因すると報道されており

そうであれば これらは誤った表現で


結果 世の不信感を募らせたり

一部には間違った認識を植え付けたと思う

 

 

 



また 投票前日 

キー局が一斉にその件を長時間報道していた事は 全く理解し難い

 


 

確かに類を見ないほどの事件ではあるけれど

普段の日ならともかく 翌日の参院選をほぼ無視する姿勢は

 

感情を煽り 数字を獲りにいったのか 他の何かに有益な働きかけだったのか

本当のところは知り得ないが 大問題である事に変わりはなく


情報を求め web に移行する流れを 各局自ら加速させていては

オワコンと言われても致し方ないと感じてしまう

 

 



そして 事件直後 悼む気持ちを述べつつ

しかし功罪は分けて考えるべきと少しでも口にした人は

私が見た限り 大手メディアに於いてはごく僅かで

 

その場で詳細を語る必要がない事に異論はないものの

ただただ褒め称える空気が満ちていく様子は どこか不穏でさえあった

 

 

 

 

 

間を置かず発表された国葬も議論を呼んでいるが

故人に対しても望ましくないそんな流れは

こちらも権限の揮い方により 党自ら招いたはずで


国の行方に大きな力を持ったり 報道を担う人々によるそういった問題は

多方向への憶測も呼び 世の混迷を更に深めていく

 

 

 

 

今回の件から

私も様々な事を考えた

 

 

故人と幾度か接する機会があった羽生さんは

これら一連の出来事をどう感じ


どのように考えを深めたのだろうか

 


 


 

 

 

参院選の中で語られた

むしろこちらこそ国民みんなで注視しなければ

乗り切れないはずの問題について続けたい

 

 

 

 

投票当日の特番で 爆門の太田さんは

現在自民広報本部長である河野氏に

 

“核の処分場” について

「骨太の方針やパンフレットで一切触れないのは

無責任ではないか」と問いかけた

 

 

河野氏

「地元の理解を得ながら候補地を議論しなければならない」

 

 

太田さん

「エネルギーに関する未来の安全のために議論をし続けてくれているのは

現実として候補地に挙がっている地域の住民の方達だけで

政府側がその状況を敢えて国民に知らせないように感じているが

それはおかしいのでは」

 

 


私もまったく同意見だ


電力逼迫の危機に 原発再稼働の意見が優勢のように報じられる事もあるが

様々な難題が周知されるほど 再稼働への安易な賛成は減るだろうし

問題への向き合い方も変わるはずだから

 

 


「タブー視しているんじゃないか みたいなところでしょうかね」

進行のアナウンサーがサラリと付け加えた



心の中で 私はつぶやく

 

 


ー そうだよ

知れたら 都合がわるくなっちゃうんでしょ

いろいろと ー

 



 

 


額面通りに受け取れば

その話は噛み合わないまま 時間切れとなった


 

 

 


先の総裁選の時 河野氏は原発への姿勢を変えている

しかしそういった事も功を奏さず 党内での立ち位置も変わったはずだ

 

 

殆どの人がそうであるように

氏は最終的な目的に向けて 大事なものを捨ててきたのかもしれないし

大切なものを無くしてきたのかもしれない

 

 

もしくは自身の天下となる日までという

考えの基かもしれないが





― 政治家は国民本位に戻り 民主主義を守るため

内容のある議論によって現実のものとし  有権者は監視し続けていく ―

政治学者の方が そう立ち返るべきと話していた

 


当り前のはずだが 現状は

双方とも看過すべきではない緩みが生じている一方で

それを利用しているふしを誰もが感じていると思う

 

  

 

現衆議院議員である小川淳也氏の 政治に向き合う17年の歩みは

『なぜ君は総理大臣になれないのか』のタイトルで

二年ほど前に映画化された

 

確か以前も採り上げておきながら

未だ観るに至っておらず

その私が語るのもどうかとは思うものの


替わる何かを知らないので

再度引き合いに出させて頂きたい



政に生ぬるい理想論は通じないと言われがちだが

先の政治学者の方が話すように


根幹から見直さなければ そして諦めてしまえば

遅かれ早かれ 終焉はやって来るのだろう

 

 

 

 

今回の選挙後 目を疑ったのは

「勝因は前半戦で野党分断ができたこと」という自民党幹部談

  

それはメディアによって切り取られたものかもしれないけれど

何に関しても避けるべきは 分断と考える自分には まるで理解できない

 


だから そういった考えの人達が実権を握る政に 期待は抱けないどころか

絶望感すら立ち上って来るのは自然の理だろう

 

 

 



先日 東電原発事故訴訟で

東電旧経営陣に13兆円の賠償命令が下った一方で

 

政府は冬に向け 最大9基の原発稼働を進めると発表

 

 

 

 

個人の考えと行動を どう変えれば望ましい先へと繋げていけるのか

 

 

それぞれが問われている 

 

 

 



 

 

  

世の中の移ろいは目まぐるしく 伴う文章を見合わせていたため

アップが遅くなってしまったが

今作は一週間ほど前に描き終えていた


こちらは別編集のもの

 

 


ベルトは比較的表現できたように思える

左手の指は敢えて少しずらした

 

 


今作に対する想い入れは深いが

略奪という言葉を拒む気持ちは否めない









何事も俯瞰し 譲るべきではないものに重心を置き

見えるもの以外の様々なバランスも図る事を

念頭に置いてはいるが


現実の中でそれを貫くのは難しい




いや それどころか

できる事なんてごく僅かだ





せめて世の中が少しでもましな方向に進めるよう

考えと行動を一にする努力が必要なのだが




先の河野さんが頭を過る





かくも生きる事は難題だらけだ