様々に呼び覚まされる
※内容を一部訂正し、再度公開させて頂きました。
彼を語る上で必然であるー SEIMEI ー
全日本EXでは緊張から解き放たれたような別世界が広がり
これもまた記憶に刻み付けられる、実に素晴らしいものとなった。
妖しさを秘めつつ伸びやかに
生命力溢れた " 羽生結弦 " がそこに実存する。
フリーのくだりを差し引いても
舞台が変わればここまで魂を感じられるのかと私は驚嘆した。
ワールドレコードを塗り替え続け
オリンピック連覇に導いたこのプログラムでさえ、更なる進化を裏打ちし
あの重苦しい空気の中でなお彼は
底堅く存在する強い希望の光を放ったのだ。
涙が止まるはずもない。
そして後にこの瞬間の表情を目にしたが最後
様々な感情が押し寄せた。
"描きたい" とも強く思った。
しかし描くべきではないのかもしれないと、心は大きく揺れる。
散々迷い、結果 進める事にしたが
日々描く前にその表情を見ては泣く。
参考の為に映像を観ては また泣く。
ー 人って泣くのに飽き足らない事があるんだな ー
そう思いながら ちーん、と鼻をかみ
続きの一線を引く日々が過ぎたのだった。
衣装を描くのは修行のようだと
初代SEIMEIの際 思った事が蘇る。
文様などが複雑で、当時あまりに不慣れだったため
頭を抱えながらも色々な描き方を試した。
まるで基礎がない上に独学さえもせず
直観で体当たりするような描き方では効率も悪く、上手に描けるわけなどない。
全てを描き込みたいと意気込んだ一作目は無知ゆえに馬鹿げたデータ量となり
他のものと並行していたとはいえ、ひと月経っても自分なりの完成には至らない。
見た目的には一応成り立っても結局 日の目を見ないままだ。
しかし、当時の彼の発言から
現役中にどれだけの数を描けるんだろうと
私は焦っていた。
描き方を学ぶ為の時間調整を勤め先へ打診もしたが、色よい返事は得られない。
そういった経緯の中
描いた数もアップしながら後に削除した数もダントツのSEIMEIとは
少なくともそれだけ真剣に向き合って、呆れるくらいの時間を裂いてきた。
そんな複雑な想いが重なり涙越しになっても
この魂宿る珠玉の演技は繰り返し観る事になるんだろう。
今シーズン、こういったかつてのプログラムをEXで演じるのは
私達へのメッセージと推し量ってきた。
けれどその月日の中で
努力と考察を重ね明示できた進化も不当に扱われ、ダメージが蓄積したために
自身の偉大な功績が幻影として覆いかぶさってきたようにも思えてしまう。
先ごろ彼から「化石になっちゃダメだ」といった発言があった。
そうであれば、象徴のようなメダルとリボンを描き込むべきではないのかもしれない。
だから真っ先に入れようと浮かんだその画は、このブログ内にひっそりと納める事にした。
ー 限界の5歩先へ ! ー と誓う彼に捧げるのは
明るい未来を想起するものでありたい。
そして彼がいつも晴れやかな心身である事を
変わらず祈り続けていく。
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